平成28年8月29日、朝日新聞デジタルにおいて、「ビーナッツ1粒でも 子どもの誤嚥、原因1位はナッツ類」との記事が掲載されました。
その記事では、硬くてかみつぶし難いピーナッツのみならず、ミニトマトや白玉団子なども詰まらせるおそれがあることが指摘されています。
子どもの誤嚥は大きな事故に直結するため、子どもを預かる側には、誤嚥を防止に向けた配慮が求められます。
では、具体的には、どのような配慮が求められるでしょうか。

 

事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン

平成28年3月、厚生労働省は、「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」を公表しています。

参照
www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kyouiku_hoiku/pdf/guideline1.pdf
冒頭に http:// を付加します。

そのガイドラインには、重大事故が発生しやすい場面(睡眠中、プール活動・水遊び、食事中)ごとの注意事項や事故防止のための研修等による体制づくりが記載されています。
例えば、先ほどの誤嚥については、以下が記載されています。その他の記載は、ガイドラインをご参照下さい。

食材や調理の仕方

① 給食での仕様を避けるべき食材

ミニトマト(※)、乾いたナッツ等球形の食材
白玉団子など粘着性が高い食材
※ミニトマトは4等分すれば提供可(保育園では他のものに代替え)とされています。

② 調理や切り方を工夫する食材

ソーセージ等弾力性が高い食材は適当な大きさに切る等

窒息自己を防ぐための安全な食べさせ方

① 年齢ごとのチェックポイント

② 姿勢のポイント、見守りのポイント、安全な「食べ方」のポイント

 

ガイドラインの意味

このガイドラインは、教育・保育施設等が配慮すべき最低限の法的ラインといえます。
すなわち、ガイドラインに記載されたことで、例えば、ミニトマトの誤嚥は予想でき、かつ4等分することで回避できることが示されました。
にもかかわらず、4等分せずに提供したことで誤嚥が発生すれば、予想できたのに回避を怠った、つまり民事上の過失責任があるとされるおそれが高いといえます。
誤嚥の予防のため、子どもに提供する食材、調理方法等をガイドラインで見直す必要があります。